
「不動産を売るなら、やっぱり大手が安心なんじゃないか」
このように思っている方は少なくありません。確かに、大手不動産会社はテレビCMや看板などでもよく目にするため「安心感」や「信頼性」を感じやすいですよね。
しかし、本当に「大手だから安心」と言い切れるのでしょうか?不動産会社には、大手企業ならではの強みがある一方で、売主にとって思わぬデメリットが潜んでいることもあります。
この記事では、「大手=安心」というイメージをいったんリセットし、不動産会社選びで本当に見るべきポイントをわかりやすくお伝えします。
そもそも大手の不動産会社とは?

「大手の不動産会社って、どんな特徴があるんだろう?」
そんな疑問をおもちの方に向けて、大手ならではの強みや、地域密着型との違いを整理していきます。
「なんとなく大手が安心」と思っている方も、それぞれの特徴や向いているケースを知ることで、自分に合った会社を選びやすくなります。
大手不動産会社の特徴
大手の不動産会社は、全国に店舗があり、取り扱っている物件の数もとても多いため、実績や経験が豊富です。テレビCMなどで見かける機会も多く、名前を知っている安心感から相談される方も少なくありません。
また、全国に広がるネットワークを活かして、さまざまな地域の情報を共有できるのも大手ならではの強みです。
特に、家を探している方にとっては、「紹介できる物件が多い・情報が充実している」という点は安心できるでしょう。
大手と地域密着型の違い
大手と地域密着型の不動産会社では、営業のスタイルや得意なエリアに違いがあります。
| 大手不動産会社 | 地域密着型の不動産会社 |
|---|---|
| ・全国に店舗を展開 ・広い範囲の物件を一度に扱える ・サービスが安定している | ・地元に根ざしている ・地域ならでの情報をもっている |
上記のような違いがあるため、一概に「どちらが良い」とは言い切れません。
不動産会社を選ぶうえで知っておいてほしいこと
不動産を納得のいく価格で売るには、最初の価格設定と、売り方の工夫がとても重要です。
どんな物件も安くすれば売れますが、最終的な売却価格は「どう売るか」で変わります。不動産を買いたい人が多くても、その人があなたの物件を選ぶとは限りません。
大切なのは、以下の2つです。
- 物件の特徴や状態を伝える
- 相性の良い買主に届く売り方をしている
不動産会社を選ぶ際は、単に広告を出すだけでなく、あなたに合った売り方を考えているか確認しておきましょう。
「大手だから安心」は本当?メリット・デメリットを比較
「大手の不動産会社に任せれば安心」と感じる方は多いと思います。実際、大手には広いネットワークや安心感のある対応体制など、確かな強みがあります。
一方で、すべてのケースで大手が良いというわけではありません。状況によっては、十分な対応が受けられないこともあります。
まずは、大手不動産会社の特徴を「メリット・デメリット」で整理してみましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・買い手が多く集まりやすい ・営業マンの研修がしっかりしている ・売却後のトラブル対応も安心できる | ・地域に詳しくない場合がある ・1件1件に親身に対応できない |
大手不動産会社のメリット
大手不動産会社には「買い手との出会いが多くチャンスが広がりやすい」というメリットがあります。
全国に広がるネットワークや広告の力を活かして、多くの人に物件を見てもらえるため、タイミングによってはスムーズな売却につながることもあります。
また、営業スタッフは一定の研修を受けていることが多く、契約に関する説明や書類の手続きなども丁寧に進めてくれることが期待できます。売却後に何かトラブルが起きた場合も、会社全体で対応してくれる体制があるのは安心材料のひとつです。
ただし、こうした「仕組みとしての安心感」がある一方で「一人ひとりの事情にどれだけ寄り添ってくれるか」は会社ごとに違いがあります。
大手不動産会社のデメリット
大手の不動産会社では、担当するスタッフがその地域のことをあまり知らないことがあります。
全国転勤があるため、異動してきたばかりで周辺の事情や地元ならではのルールに詳しくない場合もあるのです。また、たくさんの物件を同時に扱っているため、一人の営業担当が何件も抱えていることが多く、ひとつひとつに十分な時間をかけられないこともあります。
その結果、売主の希望や相談に細かく対応できないケースも出てきます。
地域密着型不動産会社の特徴

不動産会社を選ぶ際、どうしても大手の安心感に目がおきがちですが、地域密着型の会社にも強みがあります。
たとえば、地域の事情を熟知していたり、一人ひとりの売主と丁寧に向き合える時間があったりと「相談のしやすさ」や「寄り添う姿勢」に安心感を覚える方も多いはずです。
一方で、買い手を集める力や対応の安定性については、大手と比べて限界があることも事実です。
以下で、地域密着型不動産会社のメリット・デメリットを整理したので、自分の物件に合うパートナーを見つけるための参考にしてください。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・地域の情報に詳しい ・一人ひとりに時間をかけて対応できる ・売主の利益を重視してくれるケースが多い | ・買い手の数が大手よりも少ない ・営業マンの質にバラつきがある ・売却後のサポートが限定的 |
地域密着型のメリット
地域密着型の不動産会社は、地域のことをよく知っているので、売主に合った売り方を考えやすいのが特徴です。
たとえば、以下の2つの情報をふまえてプランを提案してくれます。
- 近所でどんな家がいくらで売れたか
- 今どんな人が家を探しているか
また、一人ひとりに時間をかけて話を聞いてくれるので、不安や疑問にも丁寧に対応してくれます。
地域密着型のデメリット
地域密着型の不動産会社は、大手と比べて物件情報が届く範囲がせまく、買い手が見つかりにくい場合があります。そこをカバーするのに、自社だけで買主を探すのではなく、他社にも広告掲載の許可を出し、協力して買主を探す戦略を取っているかが重要になります。
また、営業担当の経験や知識には差があるため、対応の仕方にムラを感じることもあります。会社の規模が小さい分、売却後のアフターサポートがあまり手厚くないことも少なくありません。
地域に詳しく、親身な対応が期待できる一方で「より多くの人に情報を届けたい」「売った後もしっかり相談したい」といった希望がある場合は、事前にサービス内容を確認しておくと安心です。
信頼できる不動産会社の見分け方
不動産会社の良し悪しは、会社の規模では判断できません。
本当に信頼できるかどうかは以下の3つに表れます。
- どんな提案をするか
- どこまで説明してくれるか
- 営業担当の対応は丁寧か
以下にチェックポイントを整理しました。大手か中小かにとらわれず「自分の物件に合ったパートナー」を見極める参考にしてください。
査定の説明が丁寧かどうかを見てみる
「高く売れるならお願いしたい」と思うのは自然なことです。ただ、相場より極端に高い査定が出たときは、少し注意が必要です。
査定は「このくらいで売れるかもしれない」という見込みです。確実にその価格で売れるわけではありません。
大切なのは、その査定に根拠があるかどうか。
「なぜこの価格なのか」
「近くの成約事例と比べてどうか」
など、具体的に確認してみてください。その説明の丁寧さから、会社の姿勢や担当者の誠実さが見えてきます。
営業マンの対応を確認する
営業担当者の対応から、その不動産会社が信頼できるかどうかを見極められます。たとえば、以下を確認しておくと良いでしょう。
- 質問にすぐ答えられるか
- メリットだけでなくリスクも説明するか
- 地域の情報に詳しいか
- 連絡のレスポンスが早いか
- 両手仲介を前提とした提案ではないか
- 他社との連携(他社への広告掲載)を検討してくれるか
- 売却戦略を明確に持っているか
これらの点を確認すれば、「営業トーク」ではなく「売主の味方として動いてくれるか」が見えてきます。
契約条件について聞いておく
媒介契約を結ぶ前に、不明点は必ず確認しておきましょう。チェックすべきポイントは、以下のとおりです。
- 仲介手数料以外に費用がかからないか
- 契約の途中で解約できるか
- 販売活動の報告は受けられるか
- 他社からの問い合わせにどう対応するか
- 広告掲載は自社だけか?他社にも依頼するか
これらの条件を確認することで、売却活動の透明性が高まり、信頼して任せられる会社かどうかも判断しやすくなります。
当社の対応については、以下のページもご確認ください。
大手か地域密着型、どちらを選ぶべき?
どこに依頼するかで、売却の進み方や結果は大きく変わってきます。
大手にも地域密着型にも、それぞれに強みがあります。どちらが正解ということではなく、大切なのは「自分の物件や状況に合っているかどうか」を見極めることです。その参考として、下記の表をご確認ください。
| 大手不動産会社 | 地域密着不動産会社 | |
|---|---|---|
| 集客力 | 集めやすい | 地元に強い |
| 対応エリア | 全国・広域対応 | 地域特化 |
| 担当者の対応 | 事務的なこともある | 親身に対応 |
| 融通の効きやすさ | マニュアル対応 | 柔軟に相談できる |
| 売却スピード | 早いことが多い | 状況に応じて調整可能 |
| アフターフォロー | 体制が整っている | 継続的に相談しやすい |
以下では、それぞれに適したケースについて解説します。
大手を選ぶべきケース
大手不動産会社を選んだ方が良いのは、遠くからの売却や普通の対応で十分な場合です。たとえば転勤などで現地に行けない時は、大手ならどこの地域でも同じような品質で対応してくれる仕組みが整っています。
また、有名な会社名による安心感や信頼を大切にしたい方にも向いています。売る物件が新しめの分譲マンションなど、条件が良くて特別な工夫がいらない場合も、大手の決まったやり方でスムーズに進むことが多いでしょう。
地域密着型も検討すべきケース
地域密着型の不動産会社が向いているのは、地域の特徴を活かした売り方や、細かい希望に合わせた対応をしてほしい場合です。
たとえば、以下のケースが向いています。
「周りに新築が増えているので値段の付け方に迷っている」
「近所の人に知られずに売りたい」
といった悩みには、そのエリアのことをよくわかっている人の判断が助けになります。
また、売り出すタイミングや条件について相談に乗ってくれたり、気持ちをくみ取りながら進めてくれたりするのも、地域密着型ならではの良さです。
売主さんにとって安心できるパートナーであることが大切
不動産会社を選ぶときは、「大手か中小か」ではなく、「自分に合っているかどうか」で考えることが大切です。
売却の流れそのものに、大きな違いはありません。けれど、会社によって考え方や進め方には差があります。また、以下の3つによっても合う方法は変わります。
- 急いで売りたいのか
- 時間をかけても高く売りたいのか
- 手続きを簡単にしたいのか
大切なのは「今どういう状況か・どうしていきたいのか」を聞いてくれて、良い面もリスクもきちんと話してくれる相手かどうかです。
ミカタ仲介では、まずはじっくりお話をうかがいながら、一緒に進め方を考えていきます。安心して任せられるパートナーとして、どうぞ気軽にご相談ください。
