一級建築士の先生からのご紹介で、
横浜市の売地の売却相談を承りました。
土地の所有者は息子様で、
最初はお母様をご紹介いただき、
査定価格のご説明とあわせて、不動産業界の仕組みや売却方法についてお話ししました。
その後、
息子様の方でも知人の方に相談され、
結果として、その知人の不動産会社と専任媒介契約を締結したとご連絡をいただきました。
数ヶ月後に感じた違和感
それから数ヶ月が経ち、
ふとその土地を不動産業者専用の物件共有サイトで確認すると、
いくつか気になる点がありました。
- 販売図面が登録されていない
- 問い合わせをすると「送ります」と言われたが、販売図面は届かない
- アットホームでは外観写真のみで、区画図や参考プランの掲載がない
正直なところ、
これでは一般の購入検討者は検討できません。
この掲載内容だと、検討できるのはプロの不動産業者、
つまり買取業者向けの売り方に見えてしまいます。
再相談とアドバイス
しばらくして、お母様から
「売却がうまくいっていないので、もう一度相談に乗ってほしい」
とご連絡をいただきました。
その際、弊社で売却を任せていただかなくても構いませんので、
- 販売図面を作成すること
- 区画図や参考プランを掲載すること
- 購入検討者が判断できる情報をきちんと出すこと
これらを知人の不動産会社に対応してもらうようお伝えしました。
専任媒介の切り替え
その後、息子様からご連絡があり、
知人の不動産会社とは専任媒介契約を更新せず、
弊社で専任媒介契約を締結することになりました。
売却活動開始後の展開
販売活動を開始してからしばらくして、
売主様より、
「少し価格を下げても良いので、スピードを重視したい」
というご要望があり、価格変更を行いました。
すると、買取業者さんから指値交渉付きの購入申込が入りました。
その価格を売主様にお伝えすると、
「その金額は少し厳しい」とのご判断。
そこで、引き続き買主様を探すことにしました。
あら不思議な結果に
しばらく反響が落ち着いたため、
売主様と相談し、
「一番手の買取業者さんと具体的に進めるか検討しましょうか」
という話をしていた矢先――
他社様が、より高い金額で購入したい買主様を見つけてきてくれました。
1番手と2番手の違い
- 1番手
売買価格は低い
しかし、売主・買主の両方から仲介手数料がもらえる(両手) - 2番手
売買価格は高い
しかし、仲介手数料は売主様からの片手のみ (片手)
売主様担当の仲介会社としては、
正直なところ、1番手で契約した方が売上は大きいです。
しかし、
売主様にとって一番良いのは、
売買価格が高い2番手です。
私たちの判断
2番手の存在を売主様に伝えず、
1番手で話を進めることも、
実務上は可能でした。
ですが、
弊社は「正直不動産」を基底に、
真の顧客第一を大切にしています。
そのため、
1番手の業者さんにはお断りを入れ、
2番手の買主様で話を進めることにしました。
結果
契約から引き渡しまで、大きなトラブルもなく、無事に取引は完了しました。
売主様は、より希望に近い金額で売却できたことで、
住宅ローンの残債を、手持ち資金を使うことなく完済することができました。
専任媒介の本当の意味
専任媒介契約は、
「囲い込むためのもの」ではありません。
- 情報をきちんと出す
- 他社と協力する
- 売主様の利益を最優先に考える
これができて初めて、
専任媒介の価値が生きると、改めて感じた事例でした。

